はじめに
様々なツールを繋げてAIを柔軟に組み合わせて自動化ができるツール、n8n。 ですが、有料版は月24ユーロ(1ユーロ170円換算で、およそ4,000円)からと、少しハードルの高さを感じられる方も多いのではないでしょうか。
実はn8nには、自分でサーバーを建てて動かす「セルフホスト」という方法があります。 この方法を使えば、ワークフローの数に制限がなく、支払うのはサーバー代のみ。使い方によっては、クラウド版の半分以下のコストで運用できるのです。
本記事では、非エンジニアの方でも簡単にできるよう、Hostinger(ホスティンガー)というサービスを使って、n8nのセルフホストをわずか5分で始める方法を解説します。
もし、「n8nってそもそも何なのか?」を知りたい場合は以下の記事をご参考ください。


セルフホストの前提と注意点
n8nをセルフホストする場合、アプリケーションの立ち上げにはDocker(ドッカー)という技術を使います。通常はDockerのインストールやコマンド入力などが必要ですが、Hostingerを利用すれば、これを自動で構築してくれるため、技術知識がなくてもクリック操作だけでセルフホストが可能です。また日本語に対応している点もおすすめのポイントです。
ただし、セルフホスト版(コミュニティエディション)はクラウド版と全く同じ機能を持つわけではありません。 OAuth認証を自分で設定する必要があったり、Googleログインが使えないケースもあります。 また、一部の高度な機能(カスタム変数・複数環境管理など)は利用できません。一般的な用途では特に問題なく使えますが、クラウド版でしか使えない機能があるのでご注意ください。
Hostingerでn8nをセルフホストする
| クラウド版 | セルフホスティング | |
|---|---|---|
| コスト | 月約4,000円 | 月約2,000円(サーバー代のみ) |
| 運用面 | 何もする必要なし。 | アップデートが発生した際は都度自分で更新する必要がある。 |
| 安定性 | n8nが落ちたら使えなくなる。 | n8nに依存せずとも、自社サーバーが落ちない限り問題なく使える。 一方で自社サーバーが落ちないように自分でメンテナンスする必要がある。 |
| 機能 | 全機能利用可。 | クラウド限定機能が一部使えない |
メリット・デメリットと初期設定難易度
| メリット | コスト削減:クラウド版の半額程度で運用可能 操作が簡単:クリック操作だけでサーバー構築が完了 柔軟な拡張性:プラグインやAPI連携を自由に追加可能 |
| デメリット | 初期設定:アカウント登録とライセンス取得が必要 自己管理:サーバー運用は自分で行う 機能差:クラウド限定機能が一部使えない |
| 難易度・面倒さ | 難易度:★☆☆☆☆(初心者でもOK) 所要時間:約10分 必要スキル:Webブラウザ操作、メール確認 |
事前準備
- クレジットカードまたはPayPalなどの決済手段
- メールアドレス(ライセンス登録用)
設定手順
Step 1:プランの購入
1-1. Hostingerの公式サイトにアクセスします。 日本語設定ができていない場合は、右上の言語設定で日本語を選択。

1-2. 価格設定をクリックし、①サブスクオプションで1カ月払い選択します。次に②最も安いPremiumプランを選択。

1-3. 注文の概要を確認したら続けるをクリックします価格設定をクリックし、①サブスクオプションで1カ月払い選択。次に②最も安いPremiumプランを選択。

1-4. アカウントを作成し、Googleログインまたはメールで登録。

1-5. 支払い情報を入力し、クレジットカードやPayPalで支払いを完了させる。

Step 2:サーバーのセットアップとn8nのインストール
2-1. 決済後、「Get Started」をクリックしてセットアップを開始。

2-2. OS選択画面でApplicationタブを開き、「n8n」を選択し、selectをクリック。


2-3. 無料のマルウェアスキャナーを追加し、セキュリティを強化。

2-4. 管理者パスワードを設定(自動生成でもOK)。

2-5. 「Finish Setup」をクリックすると、n8nが自動的にインストールされる。

2-6. 「Manage VPS」をクリックして管理画面を開きます。最初にアンケートが表示されるので回答。

2-7. これでサーバーのセットアップ完了です。表記が、英語の場合は、右上の設定アイコンから日本語に変更できます。

Step 3:n8nの初期設定
3-1. 続いて、n8nのセットアップを実施。まず、「アプリを管理」をクリック。

3-2. 最初に管理者アカウントを作成。メールアドレスとパスワードを入力し、Nextボタンをクリック。n8nからアンケートを聞かれる場合は回答する。

3-3. セルフホスト版では、初回起動時にライセンス登録を求められる。そのため、 n8n内のフォームにメールアドレスを入力し、 「Send me a free license key」をクリック。

3-4. 送られてきたメール内のActivate License Keyをクリックします(これで自動登録完了)。

Step 5:n8nのアップデート
5-1. n8nは頻繁にアップデートされるため、手動でアップデートが必要です。まず。Hostingerのターミナルをクリックします。

5-2. ターミナルが開くので、以下の3コマンドを順に実行することで、常に最新状態に保てます。

| 順番 | コマンド | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | docker compose pull | 最新版のn8nを取得 |
| 2 | docker compose down | 現行バージョンを停止 |
| 3 | docker compose up -d | 最新版で再起動 |

よくある質問
- プログラミング知識は必要ですか?
-
不要です。Hostingerを使えばDocker構築なども自動で行われます。
- クラウド版との違いは?
-
クラウド版は設定が簡単ですが、月額費用が発生します。セルフホストではサーバー代のみで動かせます。
- どのくらい費用を節約できますか?
-
おおよそ半分です。クラウド版が月4,000円前後に対し、セルフホストは約2,000円程度です。年間プランを選択するとさらに節約できます。
つまずきやすいポイント
- ライセンス登録メールを見逃すと一部機能が使えない
- Dockerコマンドの順番を間違えるとアップデートが失敗する
- 英語メニューに戸惑う場合は日本語設定に変更して対応
なかなかうまくいかないときは?
「n8nが起動しない」「アップデートでエラーが出る」など、初めてセルフホストに挑戦する際はつまずくこともあります。特に非エンジニアの方にとっては、英語設定やコマンド操作が不安要素になることも。
そこで、おすすめしたいのが「ジドウカ」です。

ジドウカは、これまで合計800件以上の業務自動化を支援してきた法人向けの自動化サービスです。
「設定が難しい」「安定運用まで任せたい」という方は、ぜひ相談してみてください。 タスク単位の自動化を月額1万円から、技術知識なしで導入できます。
まとめ
今回は、n8nをHostingerを使ってセルフホストし、クラウド版よりも半分以下のコストで運用する方法を紹介しました。 クリック操作だけで環境構築が完了するため、非エンジニアの方にもおすすめです。
「n8nをもっと安く・自由に使いたい」と考えている方は、ぜひ今回の手順を試してみてください。



