RPAでできること・できないことは?業務の種類と活用方法について解説

RPAは、作業を自動化できるといっても、どのようなものでも自動化できるわけではありません。導入したものの予想していた効果を得られなかったとの事態を防ぐためにも、RPAでできること・できないことについて確認しておきましょう。

この記事では、RPAで効率化・自動化できる作業とできない作業、正しい活用方法について詳しく解説します。

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・採用が難航しており、ルーティン業務を人が行っている
・どのRPAツールを入れればいいかわからない
・とりあえず、自動化をしたい
・オンプレの社内システムを使っている

目次

RPAでできること

RPA(Robotic Process Automation)は、ソフトウェアロボットを用いて人間が行っていたルーチン業務を自動化する技術です。RPAを導入することで、以下のような作業を自動化できます。

競合調査

競合調査は、企業が利益を継続的に挙げ続けるために定期的に行うべきものです。しかし、業務負担が大きいことから、行う頻度が低下しているケースは少なくありません。RPAを活用すれば、手間と時間がかかる競合調査も自動化できます。

たとえば、自社製品やサービスと競合他社のものの価格を比較するために、Web上から価格データを収集できます。ページを開いて価格の部分を探し、コピーしてシートに貼り付けるまでの作業を自動化できれば、1つの製品やサービスにつき15秒~2分程度は短縮できるでしょう。

300件に換算すれば、1時間15分~10時間程度の時間を削減できます。競合調査の自動化によってマーケティング戦略の立案や調整にかかる時間が短縮され、結果的に競争力の強化や市場への適切な対応が可能になります。

口コミ収集

自社商品に関するSNS投稿を定期的にチェックし、顧客の声に耳を傾けることで、市場の動向や商品の評判を把握できます。このような作業には手間がかかりますが、RPAによる自動化が可能です。

定期的にSNS上の口コミ・評判を抽出し、データベースに蓄積することで、必要なときに閲覧できるようにします。

さらに、キーワードで口コミを種類に分けることも可能です。例えば、プラス評価とマイナス評価、使用感や価格などに分けることができます。

日次レポートの作成

RPAを活用することで、マーケティング活動における日次レポートの作成や広告運用の効果分析などを自動化できます。例えば、Googleアナリティクスから特定キーワードに関するデータを自動的に収集し、定型レポートを作成することが可能です。これにより、マーケティングチームは手間のかかる作業から解放され、時間をデータ分析や戦略の立案に集中できます。

勤怠管理

RPAは、勤怠管理における勤怠集計、通知、管理などの業務を自動化できます。例えば、勤怠管理システムから社員の残業時間を自動的に集計し、残業が多い従業員や部署をリストアップすることで、労働時間の見直しや業務改善の必要性を促すことが可能です。

さらに、RPAは複数のアプリケーションをまたいだ作業にも対応しています。例えば、勤怠管理システムから情報を取得し、その情報を元に担当者への確認依頼メールを自動的に送信できます。

さらに、年に一度の業務である年末調整もRPAによる自動化が可能です。年末調整は1年に1回のため、手順やルールを忘れてしまうことがありますが、RPAは一度覚えた手順やルールを完璧に実行し、作業の品質を維持します。

人事評価

人事評価は各社員によって内容が異なるため、手作業での処理には時間がかかります。

人事評価の集計や評価結果の資料化などの作業は、RPAによって自動化できます。例えば、人事評価システムからデータを取得し、自動的に評価結果を集計して報告書の作成が可能です。

また、人事評価案内のメール送付もRPAによって自動化できます。人事評価書の提出期日のリマインドメールを自動送信することで、スケジュールの遵守や提出漏れの防止を促せます。

在庫管理

在庫管理は、RPAによって受発注処理、在庫保管・管理、棚卸し作業、売上記録更新などの業務を自動化できます。ヒューマンエラーがなくなることで需要予測に応じた在庫管理を正確に行えるようになり、在庫リスクを最小限に抑えつつ、顧客サービスの向上や効率的な組織運営を実現できるでしょう。

顧客情報登録

RPAを活用することで、顧客情報の登録プロセスを効率化し、正確性を高めることができます。RPAは、顧客から提供された情報やオンラインフォームからの入力情報を自動で収集し、データベースに登録します。入力情報には、顧客の氏名、住所、連絡先などがあります。

続いて、顧客情報を自動的に検証し、正確性や完全性を確認します。たとえば、郵便番号が正しい形式で入力されているか、電話番号が有効な番号であるかなどをチェックし、問題があればアラートをかけます。

顧客情報は企業が利益を生み出すために必須なものでありつつも、情報登録に時間がかかるうえにヒューマンエラーのリスクもあります。このような業務は、RPAで自動化するのがおすすめです。

請求書発行

請求書発行は、RPAを使うことで注文や契約情報などのデータを元に請求書を自動的に作成できます。顧客の名前、住所、商品やサービスの内容、金額などの情報を自動的に取得し、請求書のテンプレートに組み込みます。例えば、顧客がオンラインストアで購入した商品の情報を自動的に取得し、請求書を作成することが可能です。

RPAは、請求書をPDFファイルなどの形式で作成し、顧客に送信するプロセスも自動化できます。

経費精算集約

経費精算集約は、従業員が出張や業務に関連して支出した経費を集計し、精算するプロセスです。RPAを活用することで、作業時間の削減やヒューマンエラーのリスクを軽減し、精度の高い経費精算が可能となります。

RPAは、従業員が提出したレシートや領収書、支払い明細などのデータを自動的に収集します。例えば、従業員がスマートフォンのアプリを通じて経費データをアップロードすると、RPAは自動的にそのデータを取得し、交通費や接待費などに自動で分類・整理します。

入金消込

入金消込は、企業が顧客からの入金を受け取り、請求書や売掛金などとの照合を行い、未清算の取引を解消する業務です。

RPAは、銀行からの入金情報や顧客から提供された支払明細などのデータを自動的に収集し、請求書や売掛金データと照合します。そして、照合結果を元に請求書や売掛金を特定し、未消込の取引を抽出します。

特定した未清算の取引に対して消込処理を自動的に実行すれば、作業は完了です。また、消込処理の実行結果や残高の変動などの情報を報告書として自動生成することもできます。

買掛金処理

買掛金処理は、企業が取引先への支払いを管理し、未払いの請求書や請求金額を追跡・管理する業務です。RPAは請求書データの収集から支払いの実行、記録更新までの手順を自動化します。買掛金の処理を誤ると未払いとなり、取引先との信頼関係に悪影響がおよぶ可能性があるため、RPAのようにヒューマンエラーのリスクがない仕組みの導入が欠かせません。

問い合わせ対応

RPAは、電話、メール、チャットなどの各チャネルからの問い合わせを受け付け、あらかじめ登録した情報に基づき顧客に最適な情報を伝えることができます。

問い合わせがあると、商品に関する問題、サービスに関する問題、支払いに関する問題などの種類を判別し、事前に登録された回答やFAQ(よくある質問)から適切な回答を提供します。

メール配信

大量のメールを効率的かつ正確に送信する際は、RPAが役立ちます。RPAは、データベースや顧客管理システムから送信先のメールアドレスを収集します。また、新しい顧客情報や登録者のメールアドレスも自動的に収集し、リストに追加できます。

メールを作成する際は、事前に設定されたテンプレートやカスタマイズされたコンテンツを使用して、顧客の名前や取引履歴などの個別の情報を組み込むことも可能です。

作成したメールは、送信スケジュールの設定に応じて自動送信されます。メール配信は顧客の行動や属性に応じて最適なタイミングで行う必要があるため、手作業では膨大な時間と手間がかかります。

RPAで自動化すれば、メール配信にかかるコストを抑えつつ効果の最大化が可能です。

RPAでできないこと

RPAは、どのような作業でも自動化できるわけではありません。自身でRPAを導入したもののうまく動作しない場合、RPAに不向きな作業を任せている可能性があります。RPAでできないことの例を紹介します。

オーダーメイドの対応が必要なこと

RPAは、オーダーメイドの対応が必要な作業には対応できません。個々の要件やニーズに合わせて柔軟に対応する必要がある場合、事前の情報登録では対応しきれず、不十分な作業内容となってしまいます。

例えば、顧客の要求に応じて動的に処理を変更するような場合が該当します。

イレギュラーが起こり得ること

RPAは事前に登録したルールに基づいて業務を実行するため、人間の判断や創造性が必要なタスクには適していません。例えば、複雑な問題解決や戦略的な意思決定などが該当します。予期せぬ問題が発生する可能性がある作業には、RPAは完全には対応できません。イレギュラー対応できなかった結果、企業の信頼性が低下する可能性もあるため、イレギュラーが発生するかどうか十分な検討が必要です。

手書き文字や画像の判別が必要なこと

手書き文字や画像の判別が必要な場合、RPAだけでは完全には対応できません。RPAは主に構造化されたデータを処理するのに適しており、テキストや数値などのデータを自動的に取得・処理することが得意ですが、手書き文字や画像のような非構造化データに対する処理は限界があります。

この場合は、テキストを自動で読み取るOCRのような技術と組み合わせなければなりません。また、生成AIも画像判別が可能なツールがあるため、RPAと組み合わせることを検討しましょう。

複雑な手順が必要なこと

複雑な手順が必要な場合、RPAだけでは完全に対応することが困難です。RPAは主に決まった手順に基づいて業務を自動化するため、複雑な判断や複雑な手順が必要な作業には限界があります。

例えば、顧客の属性や購買履歴に基づいて個別の対応を行う場合が該当します。いくつかの条件を満たした場合に処理を実行することは可能ですが、あまりにも多くの条件を設定するとRPAでは対応しきれません。

発生頻度が不定期なもの

発生頻度が不定期なものについては、RPAでは対応ができません。RPAは、定型的で予測可能な業務プロセスに適しており、一定の頻度やパターンに基づいて処理を自動化します。

事象の発生が不定期であったり、予測不能なタイミングで発生したりする業務には、RPAは向いていません。

例えば、突発的な注文や予期せぬサービスの要求などが該当します。

急な仕様変更が起きるもの

RPAは既存の業務プロセスを自動化することを目的としており、急な仕様変更に即座に対応できる仕組みではありません。

例えば、システムやアプリケーションの仕様が急に変更された場合、それに応じてRPAの処理やロボットの動作を変更する必要があります。しかし、RPAは自動で設定を変更できるものではなく、人の手による調整が必要です。

RPAを業務に適切に活用しよう

RPAを適切に活用するためには、業務プロセスを分析し、自動化に適しているかどうかを見極めることが不可欠です。反復的で予測可能な業務を選定しましょう。

次に、RPAの導入目標を明確に定めます。生産性向上、エラー削減、業務効率化など、具体的かつ実現可能な目標を設定します。これらの条件を満たすRPAを導入しましょう。

そして、自社の業務にマッチするツールを慎重に選び、導入前に評価とテストを行うことが大切です。RPAの導入実績があり、カスタマイズまで対応できる企業が頼りになるでしょう。

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